最終更新日*2018/04/23*挿絵1点追加

回想録

本編のサイドストーリーです。


第6話「酔いどれ詩人と願い人形」

沈黙神到来前夜。彼を待つ人、迎えに行く人、知らないままの人たち。それぞれの思惑にはおかまいなしに、彼はやってくるのです。



今回の登場人物

ユマー
飲んだくれの年老いた詩人。かつては王のもとで要職についていたらしいが、そのころの面影はない。
サキー
ユマーの従者。仕事は酒酌みと話を聞くこと。
ヴァーリ
子供の心を持った弓の天才。もともとは復讐のために生まれてきたが、彼にはその後も役目があった。
オレアル
今回はヴィーダルを迎えに行く使者として登場。
グレーテ
オレアルに随行する御役を勤める。
全キャラクター一覧はこちら





ヴァーリ
わー、いい天気だなぁー!
ヴァーリ
話には聞いてたけど、
こんなに空の色が変わるなんて!
びっくりしちゃうよ、まったく!
ヴァーリ
それなのに、
世の人々は静かだなぁ。

ヴァーリ
………
みんな、空なんて見ないんだよねぇ。
うーん…
???
おお、心ある若造よ。
お前さんの言うとおりじゃ!
ヴァーリ
え?
???
うー、ひっく。
まったく、どいつもこいつも情けない!

うぃぃぃー。
有史始まって以来のこの大変化に、
誰もかれも無関心とはのう!
???
うぇーーっぷ。
お前さんのような、子供のような感受性を、
いったいどこで捨ててきてしまったのか!
ヴァーリ
やー、見知らぬおじいさん、ありがとう!
でもこの昼日中ひるひなかから、
ずいぶん酔ってらっしゃいますね?
足がふらついてますよ、気をつけて!
???
なんじゃと?
お前も、そのようなくだらぬ説教をするのか?!
ええい、わしとしたことがなんたる不覚、
ひどい見込み違いじゃったわい!!
ヴァーリ
え?……は、はい、
なんだか分からないけど、
ごめんなさい……
???
…………
ヴァーリ
ん?

おじいさん。大丈夫?
???
…………

んごごごごごーーー…
ヴァーリ
あれー。
寝ちゃったの―?
???
すぴーー。
ぐががーーー。
ヴァーリ
もー、だめですよ、
こんな所で寝てちゃあ!
サキー
ユマー様。
こんなところにいらしたんですか。
ヴァーリ
あ、あれ?
兄さん?!
どうしてここに…??
ヴァーリ
い、いや、そうじゃないみたい。
兄さんはもう子供じゃないはず…

だとしたら、君はいったい???
サキー
ユマー様を介抱してくれたのですね、
どうもありがとう。
あとは僕が見ますから、もう大丈夫ですよ。
ヴァーリ
ユマー様って、このおじいさんのこと?
君は、お孫さんかな?
サキー
ええ……まぁ、
そんなようなものです。

さあ、ユマー様、起きてください。
ほら、新しいお酒を酌んできましたよ!
ユマー
────
がばっ!!!
ヴァーリ
わっ!!
急に起き上がった!
ユマー
ぐびぐびぐびぐび……

ぷはぁーー!
おお、生き返ったわい!!
ヴァーリ
……
だ、大丈夫かなぁ?
ユマー
よしよし、サキーや。
今日もお前のおかげで生き返ったわい。

ほれ、あの泉のほとりで、
呑みなおしじゃ!
サキー
はいはい。
ヴァーリ
それにしてもあの子、
まるで兄さんの生き写しだ。
いったいどうなってるんだろう?
ヴァーリ
あのアル中おじいさんも心配だし。
ここはひとつ、こっそりついて行って、
様子を見るとしよう……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ユマー
おお、見なさいサキーや、
この水面の色を!
サキー
はい。
見事に空の色を映していますね。
ユマー
そうじゃそうじゃ、この空、この水の色!
これを見れば一目瞭然じゃ!
“彼”がすぐ近くまでやってきていることは、
目の開いたばかりの赤子でも判るだろうに!
サキー
その通りです、ユマー様。
ヴァーリ
うんん?
“彼”って、誰のことだろう?
ユマー
地位を捨て、国を捨て、名をも捨てて、
この旅路をたどり始めて幾星霜……
わしの人生は、明けても暮れても、
ひたすら彼を信じ、探し求めることだけだった。

その人生も終わろうかという今、
“彼”がとうとうやってくる……
ユマー
ああ、わしは仕合わせ者じゃ。
最後の最後に、
なにもかも報われて死ねるのだからのぅ。
サキー
………
ヴァーリ
もしかして、
兄さんのことを言ってるのかな?

人間のなかでも、
たま〜〜にいるらしいからね、
“分かっちゃってる”人が……。
ユマー
ぐびぐびぐび……。

……ああ、もう酒瓶を空けてしもうたわ。
サキーや、やはりお前の酌で呑む酒は格別じゃのう、
水でも飲んでいるかのようじゃわい、
はっはっは!
サキー
それじゃ、また酌んできましょう。
こんどは、ふらふらと出歩かないでくださいね?
ヴァーリ
えー。まだ飲ませるの―?
とんだウワバミじいさんだなぁ!
ヴァーリ
───あ!
ちょっと君!
サキー
ああ、さっきの方ですか。
なにかご用でしょうか?
ヴァーリ
ごめんねー。君たちのことが、
すっっっごく気になったもんだから、
隠れて話を聞いていたんだよ。
サキー
そうですか、べつに構いませんよ。
ユマー様が詩を吟じれば、
自然と聴衆が集まってくるのはよくあることです。
ヴァーリ
へええー。あのアル中じいさんが?

それじゃやっぱり、
“分かっちゃってる”人なのかなっ?
サキー
は?
ヴァーリ
あのじいさんが言う“彼”って、
沈黙神のことじゃないの?

そう、沈黙と森の神ヴィーダル
───僕の兄さんのことだけど。
サキー
兄さん?

それじゃあなたが、
沈黙神の弟なのですか?
ヴァーリ
あははー♪
そうは見えないって?

だって僕は、兄さんの翻訳機だもの!
おしゃべりでお節介なのは生まれつきさ!
サキー
翻訳機、ですか。
ヴァーリ
えっへん!
なんてったって、兄さんと意思疎通ができるのは、
この世でただ一人、この僕だけなんだから!
サキー
そうでしたか。
それじゃ、この僕を見て、
何か気付かれることがあったのでは?
ヴァーリ
え?
あ、ああ、うん!
もちろんだよ、気付くなんてもんじゃない、
だって君のその姿───
サキー
ああ、よかった。
僕は、あなたの兄と同じ姿をしているのですね?
ヴァーリ
うん!
子供のころの兄さんだよ、君はまさに!
ヴァーリ
───って、どういうことなの、これ?
分かるように説明してくれる??
サキー
あなたなら話してもよさそうだ。
率直に説明しましょう。───

僕は、ユマー様の願望が作り出した、
一種の人形なんです。
それは、沈黙神に会いたいという、
生涯をかけた願望でした。
ヴァーリ
ああー、そういうことかー。
それで、兄さんにそっくりなんだね?
サキー
でも、ユマー様は僕の正体を知りません。
ごくふつうの子供だと思っているし、
僕が沈黙神にそっくりだってことも、
ぜんぜん気づいてない。
ユマー
おぉいぃ、サキーや。
新しい酒はまだかいのう……
サキー
いけない、もう行かなくちゃ。

それじゃ、お使いに行ってきます。
さよなら、翻訳機さん。
ヴァーリ
え?
う、うん。またね!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オレアル
ふうん。
なるほどな…
グレーテ
どうした?
オレアル
いや…
このあたりも、ずいぶん景色が変わったよ。
あの広大な泉は、いつ出現したんだ?
グレーテ
さあ?
私はここへ来るのは初めてだ。
グレーテ
……おや?
向こうから、知った顔が歩いてくるぞ。
オレアル
ん?
ヴァーリ
うわーーー\(^o^)/
お二人さーーーん♪♪♪
オレアル
あいつか…
ヴァーリ
どうしたのー?
今日は二人揃ってー??
オレアル
相変わらず機嫌がいいな、けっこうなことだ。
お前も、兄貴を迎えに来たのか?
ヴァーリ
は??
オレアル
違うのか? 別に構わんぞ。
俺と彼女がいれば、手は足りる。
ヴァーリ
い、いや、ちょっと待って。
それって、今日なの?!!
もしかして僕が忘れてただけ?!
グレーテ
現にこうして来ているではないか。
ヴァーリ
うわー、そいつはたまげたなぁー。
ちょっと進捗が速くないですかぁ?
オレアル
そうだよ。いまや人間たちだって、
指数関数だの量子的だの収穫加速だのと、
新しい概念を急速に理解し始めているんだからな。

───そういうわけで、俺たちは先を急ぐぞ。
ヴァーリ
そ、そうですか、
それじゃ、あとはよろしく…
ヴァーリ
───あれ?
ちょっと待って。

兄さんが来ちゃったら、
あのお人形さんはどうなるんだろう?
オレアル
人形?
ヴァーリ
そうそう。
兄さんに会いたい会いたいと願い続けた人が、
その思いだけで作っちゃった、
思念体のお人形さんだよ。
グレーテ
タルパか。
ヴァーリ
そうなのかな、僕も初めて見たんだけど。

でもとにかく、本物の兄さんが来ちゃったら、
あの子は偽物ってことになっちゃう。
そしたらあの子は……
用済みってことになっちゃうでしょ?!
オレアル
さあ。
それはその時になってみないと、
分からないな。
ヴァーリ
もー。
君は無責任だなー!
グレーテ
作り主の思念が変われば、
タルパも無事では済まないだろう。

だが、待ち望んだ本物が来るのだから、
代理品が用済みになるのは、
むしろ歓迎すべきではないのか?
ヴァーリ
ちょっとーー!
君までがそんな冷たいこと言うのーー??
オレアル
いいや? 彼女の言葉は至極論理的だぞ。
ひきかえお前の言ってることは、
主観的な感情論だ。
ヴァーリ
わかってるよ、そんなことは!!
オレアル
そうか、それならいい。
それじゃ、俺たちは行くぞ。
ヴァーリ
ねえ待って、グレーテ!
せめて、サキーとその作り主の姿を、
ひと目だけでも見て行ってよ!
それくらいはいいでしょう?!
グレーテ
………
オレアル
───まったく。
面倒な奴に会ったのが運の尽きだな。
グレーテ
仕方ないな。
見るだけだ、干渉は一切しないぞ?
ヴァーリ
うんっ!!!
ありがとう!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オレアル
なんだ、ずいぶんにぎやかだな?
どれが人形で、誰が作り主なんだ?
ヴァーリ
あれー?
どうしてこんなに人が集まってるんだろう?
ユマー
ういぃぃーーー
ぷはぁ!
ユマー
おい、そこの職人、
そこに座っている娼婦、
走り回っておるがきんちょども!

これが最後の戯言じゃ、
水汲みのついでに、とくと聞いて帰るがいい!
ヴァーリ
ああ、あれだよ!
真ん中で、へべれけになって叫んでるおじいさん、
あれが作り主の、ユマー様だよ!
グレーテ
傍らで酒瓶を抱えている子供が、
人形だな。
サキー
………
ユマー
お前ら見たか、聞いたか、ああ?
そうでなければおまえらは、
みな盲じゃ!つんぼじゃ!

この水面を見よ、この空の色を見よ!
彼が来ている!
風の音を聴け、これが彼の声じゃ!
すぐ近くに来ておるのじゃ!
ユマー
よいか、その名はヴィーダル!
何度でもいうぞ、ヴィーダルじゃ、ヴィーダル!
───ああ、清々するのう、
この名を口に出せる日がとうとう来たんじゃ!

見るがいい、誰もわしを咎めに来はしない、
ほうれ、あの呆けた役人の顔を見ろ、
奴には意味が分からんのじゃ!
いい気味じゃのう、がはははは!
ヴァーリ
うわー。
アル中じいさん、絶好調だなー。
オレアル
ま、言ってることは正しいが……。
もっと適切な態度があるだろうに。
グレーテ
あるいは、気が触れたようなふりをして、
皆の気を引こうとしているのかもしれん。
オレアル
うむ、なるほどな。
正面から順序だてて説明したところで、
理解する者はいないだろうからな。
子供
ねーねー。
聞いてもいい―?
ユマー
うん?
なんじゃね、ぼうや。
子供
びいだる様って、
いったいどこから来るの―?
ユマー
おお、そうじゃな…
わしの見立てではおそらく、
あの森じゃ!
職人
森って、あの「絶望の森」から?
娼婦
あそこは禁忌の森だよ。
誰も立ち入らないし、一歩でも入ったら最後、
二度と帰ってこれないって噂だ。
ユマー
ほほほほ。そうじゃ。
だから、禁忌が破られるのじゃよ!

下品で無意味な戒律など、
みんな消えてなくなるのだ!
彼の到来によってな!
子供
わー。
しゅごーい!
娼婦
あはは、そりゃいいね!
それが本当ならね!
職人
ばっかだなぁ、そんなことありえないよ。
常識で考えてごらんよ。
オレアル
……うむ。
やはり子供の感性は、大したものだな。

───さて、とくに問題はないようだし、
そろそろ行こうか、グレーテ。
ヴァーリ
いやいやいや、そんなことないでしょ!
あの子の、サキーの顔を見てよ!
あれを見ても、問題がないなんて言えるかい?!
オレアル
ああ。
ないだろうな。
ヴァーリ
あーーーもう!!!

グレーテ!! 君はどう?!
君もオレアルと同じなの?!!
グレーテ
……先に聞いておこう。
君にはどう見えるんだ?
ヴァレリアン。
ヴァーリ
僕? 僕はね、もう、
いまにも胸が張り裂けそうだよ!!
見ていられないよ!!

想像してごらんよ、
兄さんが来たら、彼は捨てられちゃうんだよ!
でもほんとのことは言えないよね、
ご主人があんなにはしゃいでるのにさ?!
そうだよ、言えるわけないじゃないか!!
うわーーーーーん!!!
グレーテ
落ち着け。
それは、単なる投影だ。
オレアル
そうだな。
お前の想像でものを言っているだけで、
実際のところは分からない。

だいたい、ヴィーダルが来たらサキーが捨てられる
とお前は言うが、それだって勝手な決めつけじゃないか。
そもそも、お前が決めていい問題ではない。
ヴァーリ
じゃあ、もし捨てられちゃったら、
どうするの!!!
オレアル
その時はその時だ。
ヴァーリ
うわーーーー
鬼ーーーー!
悪魔ーーー!
死神ーーーー!!!
オレアル
………
それがどうした。
グレーテ
だいぶ興奮しているな、
今は何を言っても無駄だろう。
オレアル
うむ。
仕方ない、放っておくしかあるまい。

それじゃ、森へ急ごう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……………

……………
ヴァーリ
うーん!
今日もいいお天気だなー!
ヴァーリ
兄さんがやってきて、
世界の何もかもが生まれ変わった!

───なーんてことにはならなかったけど、
無事にお迎えが済んでよかった、よかった。
ユマー
ういぃぃーーー、
ひゃっく!
ヴァーリ
あ!
あそこにいるのは……!
ユマー
これサキーや。
酒を持ってきてくれたのかえ、
ああ、ありがとうよ。
ヴァーリ
ユマー様!
僕はサキーじゃありませんよ!
ユマー
おお、そうかえ?
それは済まなんだ、
さっき使いにやった子供なんじゃがのぅ、
お前さん見なかったかね?
ヴァーリ
え?!
そ、それじゃユマー様、
サキーはまだ、あなたの所にいるのですね?!
ユマー
なんじゃ、急に大声を出したりして?
へんな若造じゃのう?
ヴァーリ
うわーーー。
僕のことはすっかり忘れてるみたいだけど、
そんなのはいいんです!
サキーは捨てられてないんですね!
ああよかった!!
ユマー
お?
おお、戻ってきたようじゃわい…
サキー?
お待たせしました、
ユマー様!
ユマー
ご苦労じゃったのう、酒は酌んできたか?
……
おお、そうかそうか、ありがとうよ。
ヴァーリ
え…
あの子供が、サキーって
……
いったい、どういうこと???
ヴァーリ
……!!!
ヴァーリ
やっぱりあの子、
捨てられちゃったんだーーー!
うわーーーーーー
オレアル
おい、翻訳機。
仕事か? 精が出るな。
ヴァーリ
あー、オレアル!!
ねえどうしてくれるの、サキーが消えちゃったよ!
やっぱり僕の言ったとおりだったじゃないか!
どうしてくれるんだよーーー!!!
オレアル
まったく…
そんなこともわからないのか?
お前はヴィーダルの弟だろう。
グレーテ
それは仕方がない。
彼はそのように作られているのだ。
理解と誤解を等しく内包している。
誤解を理解するためにな。
オレアル
それじゃ、放っておくしかないか…。
ヴァーリ
うわーーーーーん!!!
グレーテ
ヴァレリアン。
気が済むまで泣いたらいい。
それは悪いことではない。
ヴァーリ
ひどいよーーー
オレアルの人でなし―――
鬼ー、死神ーーーー!!!
グレーテ
怒りもそのままにしておけ。
無理に抑えれば、苦しみとして残るだろう。
ヴァーリ
うう…
ひっく、ずずず…
グレーテ
お前の怒りが心の泉を湧き立たせ、
蒸発して干上がってしまっても、うろたえるな。
水は天に還り、また地上へ巡ってくるのだから。
ヴァーリ
…………
グレーテ
その過程を目の当たりにすることが、
理解を呼ぶ。───
見なければ、それは嘘のままだ。

真実は、見られることで、
真実として受け入れられる。
ヴァーリ
…………
くかー。
すぴー。
グレーテ
………
オレアル
せっかくの説教が、無駄になったな。
グレーテ
いや、かまわん。
これも、彼の役目だ。
オレアル
なるほどな。

……それじゃ、行くか。
グレーテ
ああ。
ヴァーリ
むにゃむにゃ…
サキー、どこにいるんだよぅ…。

むにゃむにゃ………
サキー?
ユマー様。
聞いてもいいですか?
ユマー
なんじゃ。
サキー?
この大きな泉は、
いったいいつできたのでしょう?
みんな、不思議がっています。
ユマー
そうじゃのう。
だがそれが分かったとて、何になる?
サキー?
はあ。
ユマー
あるいはまた、いつ干上がるかもしれん。
だが、そんなことを心配して、何になる?
サキー?
うーん。
ユマー
後先を考えたとて、それが何の役に立つというのか。
それができる奴ほど、利口でえらいやつだと、
かつては思われていたがのう。

それも、終ったことだ。
彼がやって来たのだからな。
………
ユマー
サキーや。何も心配することはないんじゃ。
考えるなんてのはな、しょせん呆け者のすることよ。
ほほほほ…

さあ、わしは少し、眠るとしよう。
………
………
………


すぴーー。
ぐががーーー。
〜〜おしまい〜〜



inserted by FC2 system